皆さんこんにちは!東京を拠点に様々な写真を撮っています、石橋純(@jun_artwork_)と申します。
以前「山と写真」について記事を書かせて頂きましたが、今回はその為の「登山の始めかた」についてお話したいと思いますのでどうぞ最後までお付き合いください。
初心者でもこれでバッチリ!登山と写真を楽しむためのスタートアップガイド
はじめに
昔は山が好きではなかった
以前、僕は山が嫌いでした。いきなり真逆のトピックで今から登山を勧めようとする人が言う言葉ではないですが、正真正銘の事実です。
僕自身、登山を始める前は山に全く興味も魅力も感じておらず、登山が好きな友人から一緒に行こうと誘われても頑なに行こうとしませんでした。なぜなら山は、”登ったら降りないといけない” “めんどくさい” “何時間も登りたくない” そんな在り来たりな理由でした。
山もそうですが、マラソンなど長距離になるものは大概好きではなかったんですよね。ではなぜそんな僕がこの記事を書いている今この瞬間にも衝動を抑えきれないほど山を好きになったのか。また登山をするきっかけはなんだったのか。どうやって登山を始めたのか。など、それらを少し紐解いてから皆さんを登山の道にお誘いしたいと思います。
登山をはじめるきっかけとなった山
ジョシュア・トゥリーについて
僕は写真を撮る傍、ブラジルの伝統芸能カポエイラというものを長年やっています。
そのカポエイラの関係で1年に2,3回はロサンゼルスに行くのですが、帰国前になると現地に住んでいる友達と自然へ遊びに行く機会があり、ある年にJoshua Tree National Park(ジョシュア・トゥリー)という南カリフォルニアにある国立公園に行きました。
ジョシュア・トゥリーはその名の通りジョシュア・トゥリーというサボテンのような木が生息していて、岩だらけの山々やむき出しの花崗岩がつくる特徴的な地形で、主に砂漠が広がり、なんと東京都の1.5倍の面積を誇る国立公園です。アメリカはなんでもスケールが日本と桁違いでびっくりします。
さて、ジョシュア・トゥリーに訪れる前にもグランドキャニオンやアンテロープキャニオンなどアメリカが世界に誇る広大な国立公園などに何度か行ったことはあるのですが、この場所は僕にとって忘れられない場所となりました。
ここの小高い山の上で見た夕日はこの世のものとは思えないほど美しく、雄大でエネルギーに満ち溢れ、改めて地球の自然の素晴らしさを感じました。
圧倒的な景色を見て登山を決意
帰国後、あんなにも綺麗な自然が日本にもあるのではないか、日本の自然の良さ、日本ならではの自然の美しさが日本の山にもあるのではないかと思い、あれほど敬遠していた登山を始めることを決心しました。
山に登るきっかけは思ったより単純でした。僕にとってはジョシュア・トゥリーでしたが、皆さんはいかがでしょうか?
アメリカの国立公園とはいかないまでも、時に素晴らしく美しい夕焼けを街中で見ることはありますが、山の上での朝日や夕日はそれ以上に格別です。
登山写真のために始めたこと
一緒に楽しむ仲間を探す
やはりまずは一緒に行く友達を探すことです。
もちろん登山者がたくさんいる低い山であれば最初から一人で行くこともできますがあまりお勧めはしません。いくら人がいて低山とはいえ、いきなりのソロハイクは危険です。何よりも独りは寂しい。 慣れてきて一人で登っていると一人の時間を満喫したり、ソロハイカー同士で仲良くなって山での出会いが楽しくなりますが、それは先々のお楽しみ。
僕の場合は初めに親友を誘いました。もちろん彼を最初に誘った時の反応は以前の僕と同じで「え?登山?嫌だよめんどくさい。疲れんじゃん」という当たり前のものでした。
ですが、この時点で僕はジョシュア・トゥリーの絶景を見ていてテンションが上っているのでこれくらいでは引き下がりません。彼の性格も知っていることから押せばどうにかなると思ってとくとくと山の素晴らしさを語りました。
そうです、まだ山を登ったことがないにも関わらずです。 僕は無事に友人を説き伏せることができ、すぐに登山道具を買いに行き、必要な物を揃えました。皆さんの中にも形から入る方がいらっしゃると思いますが、僕もそのタイプです。思ったらすぐ行動。思った時がタイミングとも言います。これって意外と本当に大事なことなんです。
思い切ってトライする大切さ
人は経験や年齢を重ねる毎に新しいことへ挑戦することが少なくなってきたり、自分が知らないことに対する不安から何かしらの理由をつけては腰が重くなり、一歩目が踏み出しづらくなってきます。誰しもそんな覚えが一度はあるはずです。
ですが、時には思い切って勢いだけでやってみる!タイミングと勢いは大事です。やらなければ、成功も失敗も後悔もありません。
写真に関しても同じことが言えますが、始めるきっかけは何でもいいと思います。
最初からコンテストに入賞するような写真を撮る必要もないし、初めから撮ろうとも誰も思わないでしょう。まずはその辺の風景や道端の花を撮るように登山も散歩感覚で始めていいと思います。
いきなり本格的な山に登る必要はなく、自然の空気や都会にはない時間の流れ、音や匂いを五感で楽しんでください。
カメラ機材以外に必要な最低限のアイテム
対象の山によって準備するものが変わる
登山靴と根性と楽しむ心だけあれば十分です。と言いたいところですが、登る山によって準備すべきものは変わってきます。
もちろん、これを読んでいる方は大多数が登山未経験、または高尾山とかなら行ったことはある、という初心者の方達だと思いますのでそこに目線を合わせてお話したいと思います。
以前書いた記事の中で紹介した竜ヶ岳であれば、正直スニーカーでも登れますのでお勧めです。これを皆さんが読む頃には段々と山は新緑の季節となりますので、天候さえ良ければ、以下の物で気軽に夏山へ登れます。
- エアリズムのような速乾性のあるTシャツ
- 涼しくて軽い、ストレッチのあるハーフパンツ、または長ズボン
- 通気性の良いタイツ
- 水や軽食、タオルなどが入るリュック
- 汚れてもいいスニーカー
- 日差しよけのための帽子
軽い低山ならこの6つくらいなので意外と用意するものは少ないです。
身近な場所で揃う登山用品
そしてこれらの物はだいたいユニクロで揃えられますし、値段もお手頃です。登山用品の値段はピンキリですが、やはり多少値が張るものが多いです。
正直、何回行くか分からない登山用品に最初からそこまでのお金はかけられないし、かける必要もありません。ある程度ハマってきたらそれなりのものを買うことをオススメします。
僕自身、今でも夏山ではユニクロの回し者かと思うくらい全身ユニクロコーデをしています(笑)もし余裕があれば最初にお話したとおり、登山靴だけでも買うといいかもしれません。写真もそうですが安くても自分のカメラを買うとテンションが上がります。
登山靴を買って気持ちが乗れば、余計に登山が楽しみになってくるはずです!
僕が登山を勧める理由
街での暮らしで感じる、人との心の距離感
なぜ登山を勧めるのか。これを読んでいる皆さんの中でも都市部に住んでいる方々はいろいろなことで頭がいっぱいになることが多いと思います。
仕事のことや人間関係、日々の暮らしや目の前のことだけで精一杯なんてこともあります。また、現代では誰とでもすぐに繋がることができてしまい、SNSで誰でも日々のことを発信しているので、以前とは違い人に会わなくてもその人が何をしているか、どんなことを思っているのかを理解しているつもりになりがちです。
個人的に思うに、テクノロジーの進化により世界中の人との距離は近くなっていますが、以前に比べ人と人との心の距離は離れていく一方なのではないかなと思います。人とゆっくり時間を共にする。そんな時に山がお勧めです。
全てから解放することができる山の存在
喧騒のない山の中で静かに佇み、自然の声を聞く。鳥のさえずりや水の滴る音、風に吹かれた木々のざわめきなどに耳を傾けます。
それらと対話するように頭を空っぽにし、心も体もリラックスする。
山は早く登る必要はありません。連れ添った友達とたわいのない会話をしながらゆっくりと登り、休んではまた登る。その道中、心許せる友達と普段できなかった話をゆっくりすることができます。そうやって自然の中で友達と過ごす時間は格別であり、とても大事なものとなるでしょう。
山に登り、写真に残す楽しさ
自然と共に時間を過ごし、友達と共に時間を過ごす。そしてその思い出を写真に残す。これだけでも山へ行く十分な理由だと思います。
一度僕に騙されたと思って誰かを誘い、是非山へ行ってみてください。必ずそこには想像以上に楽しい時間があなたを待っています!
登山前に必ず行う5つのステップ
最後に以前の記事でも書きましたが、山に行く際に最低限必要なことがあります。
登山計画書を提出する
登山計画書は登山をする山の都道府県に提出する書類であり、道迷いや滑落、遭難などをした際に救助される為の情報になります。
登山をする山、歩くルート、何時に出発して何時に戻る予定か、誰と登るのかなどを細かく申告します。YAMAPというアプリがありますが、最近は様々な機能が増えていて本当に便利です。登山計画書を必ず提出し、そしてYAMAPアプリをダウンロード!
登山保険に入る
文字通り怪我や遭難した際の病院代や救助にかかる費用を賄ってくれます。山岳保険もいろいろありますが、最近では保険とは別にココヘリというヘリコプターに救助される為に自分の居場所を知らせる発信器を持つことができます。
もちろん僕も登山の時は常に持っています。山で何かあった際に自分の居場所が把握されていることは安心です。
初心者のうちは決して一人で行かない
初回から一人で行く人はいないと思いますが、少し慣れてくるとまあこのくらいの山ならどうにかなるだろと思っていると必ずそこには危険が潜んでいます。
僕自身も経験として一人で行ったことにより後悔したことがあり、時に自然は猛威を振るい、牙を剥きます。人の力は自然に比べればちっぽけです。自分の技術を過信することなく楽しく安全な登山を心がけてください。
山に行くことを周囲に知らせる
登山計画書と同じ役割ですが、何かあった際に自分の行動を誰かが知っていてくれることにより様々な問題を回避できます。家族や恋人、友達など必ず知らせてから山に向かってください。
山の下調べをきちんとすること
この下調べとは、どんな山でどんな道を歩くのか、どのくらいの時間がかかるのか、当日の山の天気などのことを指します。
自分の体力に合わせた山を選ぶことが大切です。登りと下りにどのくらいの時間がかかり、その間休憩をどのタイミングでどのくらい取るのかを決めることはとても大事です。
山の天気は変わりやすく、季節によっては日没の時間も変わります。また僕自身もそうですが、写真を撮りながら登っていると時間がかなり取られてしまうんです。せっかくいい写真が撮れても道に迷っては全く意味がありません。
この5つは登山をするにあたってとても大事なことです。むしろ初心者だけではなく、ベテランであってもどれも欠いてはいけない項目だと思います。
以上のことを最低限守り、しっかり準備を整え、安全に登山と写真を楽しんでください!
この記事があなたにとって素敵な登山への第一歩となるよう願っています。
まとめ
まとめポイント
- 登山に苦手意識があってもなにかのきっかけで好きになれる
- 登山をはじめるときは楽しめる仲間と最低限の登山用品を
- 山は身も心もリラックスすることができる最高の場所
- 登山前に必ず行う5つのステップは忘れないこと