早朝散歩で出会えた、カメラを向けたくなる一瞬!スナップ写真がもっと楽しくなるポイント。

こんにちは、初めまして。フォトグラファーのりょんりょん(@ryonryon_tnok)と申します。

今年の3月まで故郷である香川県に住んでいて、四国の自然に囲まれながらたくさんの写真活動をしてきました。現在は静岡県で新生活を始めたところです。これから静岡県の日常や風景を写真で撮れると思うとワクワクしています。

早朝散歩で出会えた、カメラを向けたくなる一瞬!スナップ写真がもっと楽しくなるポイント。

はじめに

私がスナップ写真を撮る理由

私はストリートスナップが好きで、外出時は愛用機であるFUJIFILM X100Vを片手にスナップ写真を撮影しています。「スナップ写真は何を撮るのか」と聞かれることがあるのですが、自分が「いいな」「面白いな」と思う日常の瞬間や、光と影の自然が生み出す綺麗さを撮影するのが特に好きです。

偶然の一瞬や光を写真に切り取る面白さ

こちらの写真はベビーカーに乗る子どもの写真ですが、乗り方が面白いなと思って止まっている間に撮影しました。よく見るとお父さんの持つスマートフォン画面にその子の顔が表示されていて、ベビーカーに乗っている子の方を見ているところが自分の中では気に入っています。

こちらはとある駅を歩いていた時に、窓枠の形をした光が規則的に奥に続くように並んでいたのを見つけたものです。光だけを撮るのではなく、行き交う人の足を入れました。光が規則的に並ぶのと同じように足が並ぶと、全体的に綺麗に見えますね。

このようにスナップ撮影は、忘れ去ってしまうような当たり前の日常のそこかしこにある「面白い」「美しい」と感じる瞬間を、自分なりの解釈で写真に収めることができる楽しい撮影なのです。

最近は、写真から静けさを感じられるような写真を撮るのが好きだと感じ始めています。

早朝の景色が撮影におすすめ

さて、これまでいろいろな時間帯の日常風景を撮ってきましたが、スナップでは早朝の景色が一番魅力的だと思います。

私は死ぬほど朝に弱いのですが、どこかに旅行に出かけた時なんかは、朝の弱い私でも日の出前から写真を撮りにいくこともしばしばです。

今回はその早朝の魅力は旅先にだけ訪れるわけではなく、みなさんの身の周りの日常にも舞い降りることがあるということをお伝えします。

早朝に散歩をすることで撮れた写真

影が演出する街中のワンシーンを撮影

それはある冬の朝、私が勤める町でのことです。いつもなら通勤時間が1時間くらい遅いのですが、その日はたまたま出勤が早い日でした。

そしてこれもたまたまなのですが、Leicaのv-lux40というデジカメが届いたばかりでした。手に入れたことがとにかく嬉しくて嬉しくて、このカメラを肌身離さず持っている時でもありました。

町を歩いていると、何だか視界がぼやけたかのように見え始めました。よく見ると、辺りに霧が立ち込めてきていたのです。私の記憶にある中では、町中に霧が立ち込める現象が起きたことは今までありませんでした。

「え、何これ不気味過ぎる…」と思っていると、前からぼんやりと黒い影が浮かび上がってきたのです。状況理解は置いといて、これは撮らなければいけないと思って撮ったのがこちらの写真です。

黒い影は小学生でした。朝早くから学校で当番があったのでしょう。

これは曲がり角を曲がりそうな女の子を手前に、奥の霧が立ち込めているところからうっすら人影が見えたタイミングでシャッターを切りました。女の子は霧が晴れているのではっきりと、奥は霧でうっすらと映っているので連続してくるかのような奥行き感を出せたような気がします。

さらに人が見えてきました。もう少し人影で奥行きを出せないかなと思って撮ったのがこちらです。

大小様々な人影が霧に乗じてやってきているようです。表情が見えないことがより不気味さに拍車をかけます。影の黒の濃淡で続々と湧いてきているような不穏さを感じさせられてるかなと思います。

撮影は時間との勝負

しばらく歩いていると住宅街に入りました。まだ霧は出ていますが、太陽がだんだんと昇り始めました。霧が晴れるのも時間の問題のようです。

ふと横を向くと、人が全くおらず、霧が立ち込めていた路地があったのでシャッターを切りました。

家の壁にも植物が這っていたり、電線が不気味だったりするなど、小さな要素が相まって全体の雰囲気を形作ってくれました。

イメージによってモノクロ写真に調整

太陽がまあまあ昇り、「もう霧が晴れる限界だな…」という最後に居合わせた場所で写真を撮りました。

墓地です。正直通るルートは決まっていたので、霧が出た時点で【霧×墓地】の組み合わせは撮りたいと思い、急ぎ足で向かっていました(笑)

墓石が逆光を受けてシルエットになって立ち並ぶ姿はさすがの迫力です。

今までの3枚と組むことで、「あの人影はなんだろう?」「異世界のような住宅地だな」と想像を膨らませるような1枚になっているといいなあと思っております。

これを撮り終えた直後、太陽によって先程までの霧が嘘のように晴れ渡り、あたりはいつもの日常の景色を取り戻しました。早朝が見せたあの景色は、もう二度と見せることはないでしょう。

身の周りの見慣れた景色を早朝に撮る良さを感じていただけたでしょうか。今回は霧が生じたこととモノクロにしたことでおどろおどろしい雰囲気の写真になりましたが、もちろん朝陽の魅せる美しい場面もあります。

旅行でも早朝撮影がおすすめ

こちらはタイ旅行の写真です。

太陽が顔を出し始め、辺りが薄明るくなってきた時の写真です。水面に映る木や建物、川の静けさ、日の光の柔らかさ、全てが気持ちよく感じたことを覚えています。

巨大な大仏に被るように太陽が登りました。巨大な大仏とクレーンのシルエットが印象的でシャッターを切りました。太陽の位置が低いことで見られた景色でした。

仄暗い屋根付きの通り。通りの先が明るくなっており、そこに照らされた人と犬、車の姿を見つけて撮影しました。早朝の散歩、働く人の姿、屋根にずっと並ぶ国旗など、タイの文化らしさを感じることがたくさんありました。

旅行ということもあって気合を入れて早起きをした私でしたが、眠気も吹っ飛ばして朝のタイを満喫することができました。

早朝撮影は自分の知らない世界を残せるチャンス

このような千載一遇のチャンスにカメラを持っていることは幸運でした。そして何より早朝の景色は、見慣れた日常の景色を少しだけ違う形で瞳に映してくれるのかもしれません。

早起きは三文の徳と言いますが、三文どころではない徳を得てしまえることが分かりました。

私たちは、朝は家で身支度をし、太陽が上ってから外に出て活動することが多いので、太陽の強い陽射しやドラマチックな夕暮れはよく見る機会があります。

意識的に活動時間をずらしてあげることは、朝陽の色、陽の傾きと柔らかな影、夜明け特有の空気感など、普段見られない自然の恩恵を受けることにつながるのです。

冒頭でスナップ写真は「忘れ去ってしまうような当たり前の日常」を写真に収めることができると申し上げました。普段の見慣れた景色は自分にとって、旅先の景色は現地に住んでいる人たちにとっての日常です。

早朝にスナップすることで、限られた時間の中に見せる日常まで、余すことなく写真に残していきたいのです。みなさんに早朝スナップの魅力が伝わっていたら嬉しく思います。

みなさんも早朝の景色を探しに行ってみてください。もしかしたら、見慣れた景色の違う表情が見えるかもしれません。

では!

りょんりょん氏の作品を見たい人はこちらから

Instagram

あわせて読みたい!

スナップ写真を楽しむために、普段の日常を収集するコツ。

スナップ撮影で意識したい6つの関係性

モノクロスナップのすすめ。白黒の世界を切り取るための5つのポイント

Pocket
LINEで送る

0 replies on “早朝散歩で出会えた、カメラを向けたくなる一瞬!スナップ写真がもっと楽しくなるポイント。”