さて今回は「風景写真に望遠ズームレンズを使う3つの理由!」という事で私、長瀬正太(@syouta0002)の初めてのレンズレビューになります。
なぜこの望遠ズームレンズを選んだのかと言いますと…以前開催されたヒーコ1周年記念トークショーにて話題に上がった一本だからです。
Suuさんのレポート記事にも少し書かれていますが、別所隆弘氏(@TakahiroBessho)との対話時「別所さんは風景写真を撮るのに広角レンズを多用するのに対して長瀬さんは望遠レンズを多用する」という会話になりました。そこでの「望遠ズームレンズを多用する長瀬流」への会場の反応には驚きの声も多く、今回はアンサーとして作品を交えて望遠ズームレンズを使う理由をレビューしたいと思います。
※筆者自身広角レンズも使いますが。
風景写真に望遠ズームレンズ AF-S NIKKOR 70-200mm を使う3つの理由
作例
長野県塩尻市、高ボッチ高原
長野県茅野市、御射鹿池
長野県王滝村、自然湖
AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
出典:http://www.nikon-image.com/products/lens/nikkor/af-s_nikkor_70-200mm_f28g_ed_vr_2/
今回の記事の作例は全て上記のレンズで撮影しています。実はこのAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR IIは2009年発売の旧型なのですが、写真を見て頂ければ分かる通りその描写性能はいまだに一級品です。
ただ、現行品(AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR)はAF性能・手ぶれ補正・最短撮影距離・重量・防塵防滴仕様などなどが正当進化した一本。いつか手に入れられましたら改めてレビューしたいですねぇ。
風景写真に望遠ズームレンズを使う理由
さて、では早速いきましょう。
良い所だけをクローズアップ出来る
まず筆者が風景写真に望遠ズームレンズを使う1番の理由が、私は作品のためのクロップを多用しますが、それをズームでナチュラルに行える点が相性としても良いのです。(「トリミングで広がる写真表現!一手間で劇的に変化する風景やマクロ写真の世界」参照)
風景撮影の場合、通常は木道の上であったり道路の脇であったりと自由に動けない場所での撮影が多いですよね。この点で「前後に動けないような状況でも好きな構図で撮影出来る。」というのは非常に大きなメリットになります。
さらに「湿原地帯で中に踏み入れられない。」ですとか「被写体との間に邪魔なものがあり撮りづらい。」という状況も多いかと思います。そんな時でも望遠ズームレンズであれば自分が1番良いと思う所だけをクローズアップして撮影する事が出来ます。つまり、自身の感動を写真に乗せやすいのです。
上記画像の、小田代ヶ原は日光国立公園の特別保護地域なので車の乗り入れも湿原内への立ち入りも出来ません。

上記画像は、駐車場まで完備された有名スポットですが道路脇の木々が多く、間を縫っての撮影がメインになりがち。
写真の基本「引き算」が行いやすい
2番目の理由は画面内の「引き算」が行いやすいです。
1つ目の理由に重複しますが、風景撮影の為に自然豊かな土地に行ったとしても電柱・電線・鉄塔・ガードレールなどの人工物が画面に入ってきてしまうことは非常に多いですよね。(筆者は情緒が削がれるので風景撮影時には人工物がフレームに入ってくることを避けます)そういった状況でも望遠ズームレンズであれば「画面ギリギリで電線をフレームアウト」させたり「広大な風景の中でも鉄塔を避けてフレーミング」する事が出来ます。
余計な要素が省かれれば、第三者に写真を見せた時に自身が伝えたいものが上手く伝わりやすくなるのです。トリミングも合わせるとなお効果的。

※実は画面の外に鉄塔とゴルフ場があります。
シンプルな世界観に出来る
3番目の理由は「輝度差や色の違いのある被写体をフレームアウトしてシンプルな世界観に出来る。」です。
輝度差(明るさの差)は主に非常に明るくて白く抜けがちな晴れた空と影になる部分に出やすいです。水面に写り込んだ空も同様ですし陽が射して主役の被写体以上に目立つ背景などにも輝度差がつきます。
色の違いは主にブルーモーメント時に入ってくる朝焼けの赤い空(青に対して赤)やその逆(赤い空に対して青空)、紅葉した木々の撮影時に入ってくる常緑樹(紅に対して緑)など。
こちらのTOP画像(ブルーモーメント時に青被りした富士山と雲海に朝焼けの赤)のようにあえて入れる場合もあります。
これは筆者独自の考え方かもしれませんが「とにかく画面内をワントーン(一色)でまとめて世界観を統一したい」という思考が基になっています。
シンプルな世界観は人に伝わりやすく、SNSなどで写真が並んだ時には自身の好みであったり個性であったりになるのではないでしょうか。

上記画像、実は上部に空や電線、下部にガードレール、左右に色の違う常緑樹があります。
注意点
「立体感を出す」事の難しさ
望遠ズームレンズを多用している筆者がいつも苦心しているのは「立体感を出すことが難しい。」事です。目の前の風景を切り取っていく事で前景・中景・後景という奥行き要素が減り写真がのっぺりと単調になりがちなのです。
この点に関してはレンズならではのボケ感や天候の力を借りることが多いのですが、今回は簡潔にメリットをお伝えしたいので別の機会にて詳しく。
まとめ
では、今回の記事のまとめとなります。風景写真に望遠ズームレンズを使う3つの理由!
- 「前後に動けない現場でも良い所だけをクローズアップ出来る。」
- 画面内の「引き算」が行いやすい。
- 「輝度差や色の違いのある被写体をフレームアウトしてシンプルな世界観に出来る。」
立体感を出すことが難しい。
となります。
どうでしょうか?「えぇ~。」というお声へのアンサーになりましたでしょうか。ここまで辛抱強く読んで下さった貴方にとって「おし、いままであんまり望遠ズームレンズ使ったことなかったけど今度は長瀬流を真似して使ってみよう。」なんていうきっかけになったら嬉しいです。
また望遠ズームレンズで撮影した力作に #ヒーコ や #長瀬流 などのタグを付けてSNSなどで投稿してみて下さい。
筆者が喜び勇んでコメントします。(たぶん)それでは、また!!