皆様はじめまして。シバタ(@ShoShibataPhoto)と申します。ヒーコを購読されてる方々には、あまり馴染みのない者ですが今回突然ヒーコデビューになりました。よろしくお願いします。
わたくし普段は青森在住でございまして、撮る写真のジャンルはというと近年は、スナップ風景写真を撮ることに落ち着いてきております。今回発売前のZEISS Batis 2/40 CFをインプレッションさせていただく機会をいただきました。しばしお付き合いのほどよろしくお願いいたします。。
ZEISS Batis 2/40 CF について

まずは焦点距離について。私が好む焦点距離の中に、35mmと50mmがあります。これらの間をとった今回のレンズの焦点距離、40mm。どちらの焦点距離としても運用できるのか、あるいは中間であるが故にハマる写真が撮れるのではという期待しかありません。
思い起こすとデジタル一眼レフカメラを初めて購入した際に買った“はじめてレンズ”がCarl Zeiss Planar 50mm F1.4でした。初心者ながら、フルタイムMFでがんばっておりました。それが今ではあのZEISSレンズでAFが使えるという圧倒的感動、圧倒的感謝。

旅行用レンズの決定版なのでは?
誰もが驚愕する軽さ
旅行につきものなのが“荷物”の問題です。せっかくの旅行。旅先で素敵な写真を撮りたいというのは人情です。
どんな景色、出来事が待っているかわからないというのが旅の醍醐味ではありますが、いかなる状況にも対応できるようにしておきたいと考えると、機材がどんどん増えていき、最終的に荷物がとんでもないことに・・・なんてことが考えられます。さらに行き先が険しい山道等を歩かなければならない場合においては、荷物の各々の重量はとてもシビアになると思います。ということで機材をいろいろ揃えている方は、どれを持って行こうか悩むことがあると思います。
そこでZEISS Batis 2/40 CFです。Batis 2/40 CFを初めて手にした際は本当に軽くて思わず「軽っ」と声を発したほどでした。この軽さに標準画角な40mmの焦点距離とF2.0という明るさを備えたレンズであれば、被写体やシーンを選ばずあらゆる状況に対応できるのでは・・・
ということで地元ではありますが、レンズ一本で撮影旅行したらどんな写真が撮れるのかを検証しました。






撮影した結果、間違いないです。万能すぎました。機材選びに悩んだ際はこれ一本ですべて解決できます。
様々なジャンルの写真撮影を網羅する
写真にはポートレートや風景写真、スナップ等々、様々なジャンルがありますが、極端に広角・望遠の距離を必要とする場合を除いてはこのレンズ1本で事足りるのではないかと思います。
遠景・中景・近景別にレビューしていきます。
遠景:Batis 2/40 CFの描写
Planarを使っていた時のイメージで、高めなコントラストの写りを想定しておりましたが、Batis 2/40 CFを使ってみた印象はコントラスト、彩度共に意外とあっさりとした写りの印象を受けました。
一方で絞り込むとキリっとする描写は相変わらずで流石のZEISSレンズといったところで細部まで気持ちよく解像します。

中景:Batis 2/40 CFはAFが使えます。

Batis 2/40 CFはAFが使えます
ZZEISSレンズといえば、トルク感のある金属のピントリングでじっくりピントを合わせて撮るというのが、自分が実際使ってきたイメージです。絞り開放で、光学ファインダーでピントを合わせていた時は、ピントの山が分かりづらくフォーカスエイドを頼りにするも、結果ピンを外していたことがよくありました。
ところがBatisはAFが使えます。絞り開放でも何事もなかったようにピントが合焦します。
ミラーレスカメラは、ピントを拡大して(さらにはピーキング表示まであって)合わせることができる素晴らしい機能があるので、フルタイムMFレンズでもピントを外すことがほぼ無くなりました。
しかしながら撮りたいと思った刹那的瞬間にピントを合わせるとなると、慣れや技術が必要となってきます。しかしBatisはAFが使えます。オートです。撮り逃しはほぼ無いでしょう。AFが早いのでバシバシスナップ撮影が捗ります。BatisはAFが使えます。ZEISSレンズの描写を手に入れることができて、さらにAFまで使えるのですからもうエンペラータイムです。そう、BatisはAFが使えますBatisはAFが使えますBatisはAFが使えます。

ゆっくり漂う霧もあれば動きが早い霧もあります。この写真の霧は後者でした。霧の濃淡が常に変動する状況下においては、ベストな霧の濃さの時にシャッターを切りたいものです。霧が濃いとMFで確実にピントを合わせたいところではありましたが、AFを使ってみたところビシっと決めていただきました。

逆光耐性
逆光にも強いBatis2/40 CF。
意地が悪いくらいに逆光で撮ってみましたがT*(ティースター)コーティングの偉大さたるや。




夕陽逆光はなにもポートレイトの専売特許ではありません。レンズボディ横にあるフォーカスリミッターのスイッチで合焦距離を最短距離の“0.5m-0.24m”にすることでファインダーから目を離さずに、すぐさま寄りの写真を撮れます。刻一刻と状況が変わる夕暮れ時でもレンズ交換無く撮り逃しがありません。
明るいF値

ピントが外れる恐れが低いAFをいいことに、気軽に絞り開放を使えます。絞り開放で十分にしっかりとした描写を得ることができ且つF2.0のきれいなボケを得ることができます。玉ボケの核はこんな形状でした。防塵防滴ということで雨の日も濡れをあまり気にせず持ち歩けます。

絞り開放時の周辺減光は、少ない方と感じました。
田舎の雨の日の日没後なんかはもう真っ暗ですが、F2であっさり撮れました。多少暗かろうがもうあっけないくらいにカンタンです。
近景:Batis 2/40 CFは寄れます。

よってあまり寄りの写真を撮ることが無いのですが、今回寄りの構図を念頭に現地を見回していたところ、生した苔から小さな草が生えているのが目に留まり三脚無しでカメラを岩の上に置いて被写体に寄って撮りました。
寄れるレンズで軽量且つ嵩張らない機材構成だったので撮れました。風景写真のシーンにおいて、機動力が上がるのはもちろんですが寄れるということもひとつアドバンテージになることがわかります。


最短撮影距離の短さはテーブルフォトにも役立つ
最短撮影距離が短いので、公共の場でも被写体との距離を気にせずスマートに撮れます。そしてマクロレンズのような寄りの構図写真もこの一本で網羅。素敵すぎる。


まとめ

ファインダーを覗いた際にフッと引きの絵が現れる感じは無く、広角寄りである35mmというより50mmに近い画角だと感じました。
ZEISS Batis 2/40 CFは扱いやすい焦点距離であると共に驚きの軽さを実現しているので常に鞄の中にカメラを入れて持ち歩いても本当に疲れにくく、カメラをいつも傍においておくことができます。重い機材が苦手な方にもオススメの常用レンズといえます。
よって別途サブ用のカメラを用意せずともメインのカメラ一台で、日常の何気ないスナップから風景写真等、様々な撮影を網羅できます。

ズームレンズのほうが守備範囲広いだろとツッコまれるとその通りなのですが、広角で目に映る全てを写真に撮った場合、思い出や記録といった側面では完璧ですが、写真としては凡庸なものになることが多いです。
一方望遠ズームでその場を動かずとも遠くのものを撮ることができるのがメリットですが、自身が動いて構図を作ろうとした際に、新たに見つかる視点や構図があったりします。
焦点距離の制約がある一方でレンズの描写が優れていることから、ツボにハマった時のリターンが大きいのが単焦点レンズの楽しくて深いところだと思います。小型なボディにもかかわらずあらゆる被写体やシーンを選ばなくなった高性能なミラーレスカメラがもたらしてくれた軽さという恩恵。
そんなミラーレス時代に渇望していたのが、軽量且つ描写が優れた明るいレンズです。ズームレンズの焦点距離で写せる領域をカバーするのも良いですが、単焦点レンズで景色や思い出の一部分を写真として切り取るべく、旅行や普段のカメラがある生活のお供としてBatis 2/40 CFいかがでしょうか。
現場からは以上となります。
