簡単Photoshop術!RGBのチャンネルマスクを使って写真のコントラストを緻密にコントロールする方法

はい、どうも平成最後の黒田明臣@crypingraphy です。眠くて目が開きません。そんな事はさておき、曇りの日に撮る写真はコントラストの低い眠たい写真になりがちですよね。逆に、炎天下で撮影した写真のコントラストは目が覚めすぎます。そういった写真のコントラストを調整する際に、より精細に表現するための方法を今回ご紹介します。

簡単Photoshop術!RGBのチャンネルを使って写真のコントラストを緻密にコントロールする方法

はじめに

コントラストの調整というのは、方法で言うと無数にあるのですが、今回はチャンネルマスクを使用した方法をご紹介します。説明をシンプルにするためにコントラスト調整と言っていますが、賢い方はカラーグレーディングにも応用できることにお気づきになられるかと思われます。記事中での用法に限らず、発想の一つとして受け取っていただいて、様々な局面での応用に活かしてもらえるとよいのかなと思います。

今回使用する画像

今回のレタッチで使用する写真はこの2枚です。コントラストをあげたい場合と、さげたい場合の二種類を用意してみました。

これら写真を、下記の通りに調整していきたいと思います。

  • 1枚目の写真はコントラストを強く
  • 2枚目の写真はコントラストを低く

まずは1枚目からいきましょうか。

チュートリアル工程

チャンネルマスク

コントラストを調整するにあたって、調整レイヤーの中でも明るさ・コントラストや、トーンカーブレベル補正など色々あるのですが、写真全体に適用するのではなく、一部に適用するというのが今回のポイントです。

しかし、一部というのはどのように判断するのかという課題があります。

色域指定で一部のカラーを選択したり描画モードで選択したり、ブラシや自動選択でマスクしたり、チャンネルマスクから抜いたり、様々な方法がありますがチャンネルマスクによる情報量は他の追随を許さないレベルです。圧倒的に緻密なマスクを作成できるので、それを使用します。コントラストの調整には今回トーンカーブを使用します。トーンカーブでコントラストを調整できるというのは当然なのですが、チャンネルマスクと掛け合わせることでRGB全体で調整するのではなくRGBそれぞれに対して、もしくはRGBのいずれか以外に適用することで、より緻密な調整を行うというのが今回のキーポイントです。

チャンネルマスクの利点

チャンネルというのは、RGBそれぞれのカラーのチャンネルを指しています。

RGBモードにおけるカラーは、光の三原色に則ってレッドチャンネル・グリーンチャンネル・ブルーチャンネルから構成されていて、それぞれの値を掛け合わせることですべてのカラーが表現されています。今回はそのチャンネルマスクでRGBから特定のカラーを軸にマスクする方法。もちろんマスクの方法は他にも色々あります。色域指定なども機能性は高いですが、RGBのチャンネルほどの情報量はありません。チャンネルマスクは色域指定に比べると、より精細にマスクすることができます。

RGBカラーでレタッチしよう

Photoshopのカラーモードが、CMYKカラーやLabカラーの場合はRGBカラーに変更しよう。

RGBそれぞれのチャンネルを確認

チャンネルパレットより、RGBそれぞれのチャンネルを外して、それぞれのコントラストを確認します。モノクロ表示になりますが、これはマスクと同様に白いほどそのチャンネルの色が多くて黒いほど少ないというふうに覚えていたらオーケーです。

グリーン
ブルー
レッド

チャンネルからマスクを生成する方法

チャンネルには、RGB、レッド、グリーン、ブルーの3つが設定されていますが、これらから任意のチャンネルを選んで

「Command」を押しながらクリック

これでチャンネルの選択範囲が作成されます。その選択範囲をマスクに適用すればチャンネルマスクの完成です。

コントラストの低い写真にメリハリを

コントラストの低い写真であれば、三つのチャンネルから「明暗差が強いと感じるチャンネル」を選択してチャンネルマスクの選択範囲しましょう。今回は、調整レイヤーのトーンカーブにマスクを作成します。

トーンカーブでは、コントラストの強い部分S字カーブを作成します。必ずしも明暗差が強いチャンネルを選ぶ必要はありませんが、低コントラストの写真内でもっとも明暗差の強いチャンネルを強調することで、自然なコントラストが表現できます。今回は「ブルー」のチャンネルを調整します。逆に情報量の少ないチャンネルでコントラストをあげてしまうと、破綻してしまうこともあるので気をつけましょう。

トーンカーブの調整

「ブルー」のトーンカーブをS字カーブにしてみました。

Before/After

コントラストの高い写真をニュートラルに


今度調整する写真はこちら。正直もう現像も終わっているので、自分的にはこれでいい感が否めませんがそれはオフレコで進めていきたいと思います。

Before/After

コントラストの高い写真をニュートラルにする際には、チャンネルを選択した際に「明暗差が低い部分」のマスクを作成し、トーンカーブを逆S字にすることで、高くなったコントラストを落ち着かせることも可能です。

変化後(右)がニュートラルな印象になりましたね。これは、明暗差が低かった「ブルー」をトーンカーブで「逆S字カーブ」にしました。

NG例

例えば、これを一つのトーンカーブで「S字カーブ」で表現すると、コントラストが濃すぎる結果になってしまいます。

トーンカーブはこんな感じです。

今回のまとめ

チャンネルマスクは様々なケースで応用の効くテクニックです。今回はコントラストを調整する方法としてご紹介しましたが、発想一つで様々な使用が可能です。カラーグレーディングをチャンネルマスクで行うことも方法の一つです。是非、自分にあった使い方で応用してみてください。

また、今回はコントラストを高くしたい時、高いチャンネルを更に高くして、コントラストが低い時は低いチャンネルを更に低くするという方針でしたが、これが必ず正解というわけではありません。写真によってはコントラストが低いチャンネルを高くすることで全体のバランスを整えることも可能でしょう。

前述しましたが、あくまで発想の一つとして今回の例にとらわれずチャンネルマスクを活用してもらうのが良いかと思います。

それではさようなら。

「カラーグレーディング」についてはこちらも要チェック!

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