たった4つの工程で海外風の風景写真に!?Photoshopで簡単レタッチ!

こんにちは。朱門@shumonphotoです。

今回はPhotoshopの“Blend If”という機能を使って、簡単かつ効果的にRAW現像を行うテクニックをご紹介します!
風景写真だけじゃなく様々なジャンルの写真に応用できると思いますので、ご存じない方はぜひチェックしてくださいね!

”Blend-If(ブレンド条件)”って何?

Blend-If機能の効果・使い方

レイヤーに設定できるレイヤー効果オプションの一つで、レイヤーの明るさやRGBの値を条件にレイヤー同士の重なり具合を変化させることが出来る機能のことです。

と言葉で説明してもピンと来ないと思いますので、ちょっと実験してみます。

Photoshopを起動し、グラデーションレイヤーと赤色レイヤーを作成する。

まず、下のレイヤーに白から黒のグラデーションを作り、上のレイヤーは赤のベタ塗りにします。

1-blendif-red-sweep

レイヤー効果メニューからBlend-If(ブレンド条件)を適用する。

次に、上の赤色レイヤーを右クリックで、レイヤー効果を選択します。

2-layer-option

”ブレンド条件”の”下になっているレイヤー”で黒色のスライダーを少し右に動かしてみます。

3-blendif-dialog1

すると、上の赤色レイヤーの一部が消え、下のレイヤーの黒い部分が見えるようになります。

4-blendif-black

同様に”下になっているレイヤー”で白色のスライダーを少し左に動かしてみます。
今度は、下のレイヤーの白い部分が見えるようになります。

5-blendif-white

つまり、この”下になっているレイヤー”のスライダーによって指定した明るさの部分だけをブレンドすることが可能なのです。

違和感なくBlend-Ifを適用するには

さらに、今度はalt (option)キーを押しながら黒のスライダーを動かしてみます。
そうすると、スライダーが2つに分割できます。白のスライダーも同様です。

スライダーを分割することで、ブレンドする部分とブレンドしない部分の境界を滑らかにすることが出来ます。

6-blendif-gradation

トーンカーブでBlend-If

Blend-Ifを使って一部の領域だけにトーンカーブを適用する

Blend-If (ブレンド条件)は使い方次第で、様々な応用が可能な機能ですが、まずは基本のトーンカーブで試してみましょう。

Photoshopのトーンカーブ機能で画像の暗部を調整する

まずは、次のような写真で暗部だけをトーンカーブを使って少し持ち上げてみます。

7-sample-image

暗部を持ち上げたいので、試しにこんな感じのトーンカーブにしてみます。

8-tone-curve

むむ。トーンカーブの調整が甘いのか、ミッドトーンも一緒にちょっと持ち上がってしまいました。。
とはいえ、カーブを急峻にするとこのように不自然な感じになりかねません。

9-tone-curve-weird

トーンカーブだけでの調整が難しい場合にBlend-Ifを使用する

こんな時は暗部だけにトーンカーブを適用する必要があります。
トーンカーブのような調整レイヤーを一部の領域だけに適用する方法はいくつかありますが、今回はBlend-If (ブレンド条件)を使ってみます。

先程のトーンカーブを右クリックして、レイヤー効果を選択します。

10-open-layer-option

スライダーを調整することで画像の暗部から徐々にトーンカーブを適用できる

暗部だけにトーンカーブが適用されるように、白いスライダーを左に動かします。
スライダーを動かすことで、画像が変化するので見ながら度合いを変えていくことが可能です。

11-blendif-1

Blend-Ifをより使いやすくする小ワザ

実はBlend-Ifを使いやすくするTIPSがあります。カラーオーバーレイで分かりやすい色(ピンクとか)を加えておくと、トーンカーブの適用領域に色が付くので、より分かりやすいと思います。(確認後はカラーオーバーレイをオフして下さいね)

12-blendif-color-overlay

画像比較

↓がBlend-If(ブレンド条件)の未使用・使用の比較です。

トーンカーブ調整のみ・Blend-If(ブレンド条件)未使用

13-before-blendif

Blend-If(ブレンド条件)使用

14-after-blendif

一枚画像にまとめたものがこちら。オリジナルデータ(左)とBlend-Ifを使ったデータ(右)です。

final-image

ポイント・メリット

Blend-If(ブレンド条件)を使って調整した方は、暗部以外の明るい部分はトーンカーブの影響がないというところがポイントです。
このようにBlend-Ifを使うと、トーンカーブなどの調整レイヤーの効果を一部分だけに自然に適用することが可能です。

レタッチ手順の復習

今回ご紹介したBlend-If(ブレンド条件)の使い方の復習です。

  1. トーンカーブ(調整レイヤー)を追加する
  2. トーンカーブ(調整レイヤー)で露出などを調整する
  3. 右クリックでレイヤー効果を選択する
  4. ブレンド条件のスライダーを使ってトーンカーブを適用する領域を調整する

まとめ

今回は Blend-If (ブレンド条件)を使った自然な調整レイヤーの適用の仕方について説明しました。

鋭い読者の皆さんは既にお気づきかもしれませんが、Blend-Ifは調整レイヤーだけではなく、レイヤー同士のブレンドにも適用出来ます。

特に風景写真でよく多用される露出ブレンディングでBlend-Ifを使えば、ブラシを使うよりもより自然に異なる露出のレイヤーをブレンドすることが可能です。
(露出ブレンディングの基本については、こちらも御覧ください。)

是非、色々試して自分なりのBlend-Ifの使い方をマスターしてください。

それでは、また。

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