はじめに
こんにちは。朱門@shumonphotoです。
今回はプロも愛用しているNik Collectionを使用したRAW現像方法について説明します!
Nik Collection
Nik Collectionとは?
従来はLightroomやPhotoshopの機能を駆使して行っていた、高品位な写真の現像処理を簡単に行うことが出来るツール群です。
全部で7つのツールが含まれていますが、特にColor Efex, Silver Efex, Dfineはプロでも使用している人が多いようです。
価格は?
Nik Collectionが登場した当初は有料ソフトウェアだったのですが(私も購入しました)、GoogleにNik社が買収された後、2016年3月に無料化されました。
素晴らしいことに無料化後も機能劣化はなく、有料版と全く同一の機能が使えます。(T_T)
詳しくはコチラを御覧下さい。
インストール方法
MAC版/Win版のインストーラが用意されています。
LightroomやPhotoshopが既にインストールされている環境では、Nik Collectionのインストール時にLightroomやPhotoshop用のプラグインも同時にインストールされます。
詳しいインストール方法については、NikのHPを御覧下さい。
簡単な使い方
Color Efex Proには様々なフィルターが揃っていますが、今回は風景写真に適している “Pro Contrast”と”Polarization”フィルターを使ってみます。
他のフィルターの場合も使い方の基本はすべて同じですので、ぜひ他の様々なフィルターもご自身で試して見て下さい。
まずはPhotoshopで写真データを開く
まずはいつものようにLightroomでRAW現像処理を行いたい写真データを読み込みます。
※普段、PhotoshopのCamera Rawを使用している場合は Camera Rawで写真データを読み込んでも基本操作は同じです。
Lightroomで露出やハイライト・シャドーなどの基本的な調整を行っておきます。
次に右クリックで”他のツールで編集” “Photoshop CCで開く”を選択します。
鋭い方は既にお気づきかもしれませんが、Nik CollectionはLightroomからも直接利用することが可能です。
しかし、Photoshopから利用した方がレイヤー処理と組み合わせることで様々な応用が可能なので、一旦Photoshopのレイヤーとして開き直します。
Photoshopでレイヤーとして開いた状態です。
Color Efex Proを開く
次にレイヤーを選択した状態で、”フィルター” “Nik Collection” “Color Efex Pro4″を選択します。
しばらく待つと、Color Efex Proが起動し先程のレイヤーが開いた状態となります。
※説明の画面は英語バージョンですが、日本語環境にインストールした場合、通常は日本語バージョンになります。
Pro Contrastフィルターを使ってダイナミックコントラストを高める
左側には様々なフィルターがカテゴリー別に並んでいますが、この中から”Landscape”カテゴリの”Pro Contrast”を選択します。
Pro Contrastフィルターを選択すると、↓のように
の3つのパラメータが調整できる状態になりますが、ここではダイナミックコントラストをグイッと引き上げて、メリハリのある写真にしてみます。
ダイナミックコントラストのパラメータ調整が終わったら、右下のOKボタンを押してPhotoshopに戻ります。
Photoshopに戻ると、はじめにあった”レイヤー0”の上に”Pro Contrast”レイヤーが追加されます。
このままですと、写真全体にPro Contrastのフィルター効果が適用されている状態です。
部分的にフィルター効果が適用したい場合は、レイヤーマスクとブラシで部分的にフィルター効果をかけます。
ここまで完了したら、一旦ここまでのレイヤーを統合したレイヤーを作成しておきます。Shift + Option (alt) + Command (Ctrl) + E のショートカットキーで統合したレイヤーを新規に作成することが可能です。
このショートカットキーは様々な場面でよく使うので、覚えておくと便利ですよ!
Polarizerフィルターで空の色をより青くする
次に、空の色をもう少し青くしたいので、Color EfexのPolarizatonフィルターで空の青色を調整してみます。
統合したレイヤーを選択した状態で、先程と同じように Nik CollectionのColor Efex Proを開きます。
今度はLandscapeカテゴリーの”Polarization”フィルターを選択します。
Polarizationフィルターはその名のとおり、CPLフィルターと同じ効果を加えることが出来るフィルターです。CPLフィルターを回転させて使うのと同じように回転角度が調整できます。また、フィルターの強さも変えることができます。
ここでは空の青色を確認しながら、回転角度98°、強さを118%と設定してみました。しかしながら、空以外の部分にもフィルター効果が適用されてしまい、ハイライト部分が強調され過ぎたり波の部分も色が変化してしまいました。
Color Efex Proには、このような場合のハイライト部分やシャドー部分を保護する機能があります。
フィルターの調整パネルにある”Highlights”のスライドバーをグイッと右に動かすことで、ハイライト部分の白飛びを抑えてみます。
今回はハイライト部分を保護しましたが、黒つぶれが発生する場合は同じようにシャドー部分を保護することが可能です。
次に色が変わってしまった海の部分にフィルターが適用されないようにしてみます。
自動マスク機能の使い方
先ほどはPro Contrastフィルターの効果を適用する領域を限定するために、Photoshopのレイヤーマスクを使ってマスキングしましたが、実はColor Efex Proにも便利なマスク機能が備わっています。
フィルターの調整パネルにある、”−” (マイナス)ボタンを押した状態で、効果を掛けたくない部分をクリックします。
範囲が広い場合は、同様に何点かクリックして行きます。
各ポイントは半径を調整して、範囲を調整することが出来るのですがこのままですと少々分かりにくいので↓の矢印で示したマスク表示ボタンを有効にして、マスクの状況を確認します。
Photoshopのレイヤーマスクと同様に、黒っぽい部分はフィルターが適用されてないことを示しています。
逆に白っぽい部分はフィルターが適用されています。
Color Efex Proの自動マスク機能は画像データに合わせてマスク範囲を自動調整してくれます。
このマスク表示のまま、海の部分だけが黒い状態になるように、−のマスクポイントを移動したり半径の大きさを変えることで調整していきます。
マスク調整が完了したら、OKボタンを押してColor Efexを終了しPhotoshopに戻ります。
Dfineでノイズ除去
次に、ノイズ確認のために波の部分を拡大表示してみます。
ISO100で撮影してますが、波の部分はもともと暗かったせいもあって、多少カラーノイズが目立ちます。
カラーノイズを除去するには、PhotoshopやLightroom/Camera Rawのノイズフィルターを使うことも出来るのですが、Nik Collectionには高性能なノイズ除去ツールである “Dfine”が含まれています。
では、さっそくDfineを起動してみます。
Dfineは起動するだけで、自動的にノイズ量を計測して最適なノイズ除去フィルターを設定してくれます。
ですが、ある一部の領域に対してだけノイズ除去を行いたい場合は、手動設定で計測範囲をした方が、より最適なノイズ除去を行うことが可能です。
ノイズ除去フィルターを適応したい範囲によって、自動・手動モードを使い分けて見て下さい。
Dfineでのノイズ除去の調整が終わったら、OKを押してPhotoshopに戻ります。
仕上げ
ここまでで、Nik CollectionのColor EfexとDfineを使って基本的なコントラスト調整とノイズ除去が完了しました。
後はいつものようにPhotoshopを使ってカラーバランスや露出等の微調整を行っていきます。
もちろん、再度別のレイヤーに対してColor Efex Proのフィルターを適用することも可能です。
比較
最後にNik Collection/PhotoshopによるRAW現像前後の比較です。
ダイナミックコントラストを適用した波しぶきの迫力が増し、空の色もより青色が鮮やかになっていることが分かると思います。


まとめ
今回は高品位・高機能な現像ツールである GoogleのNik Collectionを使った現像方法を紹介しました。
説明したColor Efex ProやDfine以外のツールも使いやすく高機能ですので、Nik Collecitonをインストールしたら他のツールも一度試してみることをオススメします。
今回ご紹介した方法で実際にやってみたら 是非、 #ヒーコ で載せて見せて下さい!
それでは、また。