raytrek PCで快適編集!Photoshopを使った夜景・花火写真合成のコツ

こんにちは。京都写真家のうさだだぬき(@usalica)です。日頃は撮影した写真を濃密な「極彩色」に仕上げる作風を強みに活動しています。

今回の記事テーマは「比較明合成」による写真編集術。比較明合成とは、複数の写真同士を“比較”して“明”るい部分を選んで“合成”する編集術のこと。星空や花火などの写真で実は目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は花火を例に、同じ場所で複数枚撮影した花火と背景を1枚に合成する写真の編集方法をご紹介できたらと思います。夏の風物詩とも称される花火ですが、全国各地で秋から冬にかけてもお目にかかる機会があるもの。

有名どころでは、季節を横断して開催される静岡県の伊東温泉「夢花火」や年の移り変わりを祝う長崎県の「ハウステンボス カウントダウン」などがあり、どれも華やかな花火が澄んだ空に舞い上がります。

四季折々の景色と共に楽しむことができる花火写真の編集術を知り、空の美しい景色を写真でより魅力的に残しましょう。

本記事では、京都府・宮津天橋立にて開催された「宮津天橋立エール花火」の写真を使用して比較明合成にチャレンジしていきます。

撮影は丹後海陸交通株式会社様のご協力のもと、天橋立傘松公園内のスカイデッキより行いました。

なお、今回ご紹介する写真は、株式会社サードウェーブが展開するクリエイターPC「raytrek(レイトレック) XV 写真&動画編集向けモデル」を使用して編集しました。(現在はraytrek XV ASUS H570搭載 写真&動画編集向けモデルとして、新機種を展開中です。)

編集に使用したソフトは「Adobe Photoshop」と「Adobe Photoshop Lightroom Classic」です。

raytrek PCで快適編集!Photoshopを使った夜景・花火写真合成のコツ

比較明合成の第一歩。使用素材を編集する

はじめに背景写真を用意する

では早速合成を……といきたいところですが、比較明合成を上手に行うためにはまず素材となる背景写真の撮影が重要です。

背景素材の撮影をする際の流れは4ステップ。花火が上がる前後のタイミングでそれぞれ背景素材を撮影しましょう。

  1. 花火が上がる場所を画角に収められるように三脚をセッティングする
  2. 背景素材として、明るい背景を撮影する(花火が上がる時間が日没後の場合)
  3. 花火が上がり始めても、三脚には一切触らずレリーズでシャッターを切る
  4. 花火終了後、再度背景素材として明るい背景を撮影する

2と4で二度、背景素材を撮影するのはリスクヘッジのため。本来、背景素材は花火の煙が映り込む心配のないよう打ち上げ前に撮影を完了させるのが望ましいです。

しかし、花火が打ち上がる位置や角度が想定とは異なり、打ち上げ開始後に画角を微調整をすることも。そのため、もしも2とは画角が変わる場合、打ち上げ終了後の4のタイミングでも再度背景素材を撮影しましょう。

今回の撮影時は2で背景素材が用意できたので、それらの写真を使用して比較明合成を進めていきます。

合成に使用する写真を現像する

使用する素材一覧はこちら。

まずはすべての写真をLightroom Classicで現像します。

極彩色の仕上げ方は以前の記事でご紹介しているので、合わせてこちらからご参考ください。

前回までの記事で触れたポイントを意識しながら編集することで、極彩色の鮮やかな写真が現像できました。

使用写真すべてに編集設定を同期

次に、編集時の設定をコピーして他の素材にも同期します。

花火は基本的にバルブ撮影な上、花火によって光の強さが違うこともあります。そのため、設定を同期したあとは、細かな微調整を素材ごとに一枚ずつ行うのがおすすめです。

「Adobe Photoshop」で実践する花火写真の比較明合成

① 合成に使用する素材を「Adobe Photoshop」で開く

ここまで準備できたら、お待ちかねPhotoshopの登場です。Lightroom Classic上で、背景と合成したい素材をすべて選択し、右クリックより「他のツールで編集」→「Photoshopでレイヤーとして開く」を選択します。

Photoshopが立ち上がり、選択していた合成予定の写真がレイヤーとして並びます。

② 比較明合成で複数の素材を合成する

背景素材となる写真をレイヤーの一番下に配置し、合成素材をすべて選択します。

「通常」→「​​比較(明)」を選択。

こうすると、比較明合成が完了。暗い部分の上に写真の明るい部分が上書きされ、素材として別々に撮影していた3つの花火が1枚の写真の上に浮かび上がってくれました。

③ 好みに合わせて空の色を微調整する

このままでも十分に美しい写真ではありますが、背景の空が少し明るいために、山の上部に上がった花火が少し見えにくいと感じてしまいました。そこで微調整をかけていきます。

クイック選択ツールで調整

花火が上がっていない背景素材のレイヤーを選択し、「クイック選択ツール」で、明るさを変えたい山から上の空部分を選択します。

塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成

レイヤーパネル下部の「塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成」からトーンカーブレイヤーを作成します。

選択した部分にだけ調整をかけられる、マスクのかかったトーンカーブが作られます。

トーンカーブを調整

トーンカーブの斜線真ん中あたりを右斜め下に向かって下げていきます。これで空だけが暗くなり、山を越えた上部の花火が目立つようになってくれました。

ちなみに、このレイヤー調整時に一つ注意する点が。調整レイヤーの補正では、調整するレイヤーより下に位置するレイヤーすべてに補正がかかります。

つまり、トーンカーブのレイヤーを一番上に持ってきてしまうと、花火自体の明るさまで変化させてしまうことに。レイヤーの位置関係に注意しながら補正を行うことが大切です。

消しゴムツールで調整

さて、無事に空が暗くなりましたが、空の上部が少し暗すぎる印象に。今度は空の上部のみを調整します。

今回は、「消しゴムツール」を使って、空の上部を少し削ることにしました。硬さを0%、流量を10%程度に下げておくと調整がしやすいのでおすすめです。

消しゴムで空の上部を少しだけ消してみます。これでバランスが良くなりました。

再びクイック選択ツールより調整

今度は、稜線(山の背)の下部を調整してみましょう。まずは先ほどと同じく、「クイック選択ツール」で空のみを選択します。

選択範囲上で右クリック。「選択範囲を反転」を選択します。

選択範囲が逆転して、空を除く写真の下部が選択されました。選択の点線がわかりづらいですが、赤で囲った部分になります。

先ほどと同様の手順でトーンカーブレイヤーを新規作成すると、稜線から下部分にマスクのかかったトーンカーブが作られます。

保存後、「Adobe Photoshop Lightroom Classic」上で最終調整

あとは、先ほどと同じように明るさを下げ、明るさを保ちたい部分は消しゴムでマスクを消して調整。ここまでできたら、Ctrl(Command)+ Sで保存します。

Lightroom ClassicからPhotoshopを開いて編集したので、保存されたTIFFデータはLightroom Classicで自動的に開かれます。とてもありがたい。

④ 完成

あとはお好みでパラメータを調整して仕上げます。

調整後の写真はこちらになります。

感動のフィナーレも比較明合成で美しく

実は、この花火大会、本来は3箇所の打ち上げ会場で順番に花火が上がるのですが、なんとフィナーレでは3箇所同時での打ち上げが。とても美しい写真が撮影できたので、こちらの写真でも比較明合成を行っていこうと思います。

手順は先程のテクニックと同じで

明るい背景素材(先ほどと同じもの)と合成する花火の写真を用意します。

2枚の写真を選択し、「Photoshopでレイヤーとして開く」を選択。

背景レイヤーを一番下に配置した上で、花火のレイヤーを同様の手順で比較明合成。再び背景レイヤーに戻り、空をクイック選択します。

トーンカーブレイヤーを新規作成。明るさを下げたあと、暗すぎる部分のマスクを「消しゴムツール」で削ります。

稜線以下のトーンカーブも作成します。ちなみに、「選択範囲の反転」ではなく下部をクイック選択する方法でも意外にすんなり選択できました。

明るさを整えたり、暗くしたくない部分のマスクを消すなどして微調整を行います。

調整が完了したら、保存。Lightroom Classicで色味を微調整して完成です。

意外にもシンプルな手順で行える比較明合成。花火という儚さを感じる被写体も、こんな風に合成してみるといつまでも煌々と輝き続けているようで不思議な気持ちになりました。

Photoshopの機能一つですぐにチャレンジできるので、花火写真が手元にある方も、これから撮影に挑む方も、一度試してみていただけたら嬉しいです。新しい写真の楽しみを感じられることと思います。

複数の写真・動画処理もraytrekならスムーズ

製品写真撮影:塩崎亨

さて、前回・前々回に引き続き、今回もご紹介した写真のすべてをクリエイターPC「raytrek XV 写真&動画編集向けモデル」を用いて編集しました。僕自身、極彩色の写真を普段から編集していて作業が増えれば増えるほど処理スピードが遅くなる点に対して小さなストレスを感じていました。

特に、Lightroom Classicで数多くの写真を同時に編集したり、今回のようにPhotoshopで複数のファイルを同時に扱って重たい処理を行う上ではPCのスペックが作業効率に大きな影響を与えます。そういった際の心強い味方が「raytrek XV 写真&動画編集向けモデル」です。

32GBのメモリのおかげで作業もサクサク快適に

今回お借りしているモデルはメモリを32GBに増やしており、とてもゆとりがあるため写真編集におけるあらゆる作業で処理スピードが落ちることなく快適に動作していました。raytrek XV 写真&動画編集モデルはメモリを最大128GBまで増設できるそうです。

今回はLightroom ClassicとPhotoshopを同時に使用しましたが、Lightroom Classicから6枚の写真を「レイヤーとして開く」操作をしたところ、50秒ですべての写真がレイヤーとして開かれました。1枚あたり10秒もかかっていません。とても早いです。

比較明合成の際は数多くの写真を合成することもあり、星空や蛍写真を合成する場合は200枚ほどの写真を扱うことも。このPCのように処理スピードが早い機種を使用することで、合成時の待ち時間もグッと小さくできます(200枚程度の、膨大な量の写真を合成する方にはメモリを64GB以上にカスタムすることをおすすめします。)

動画編集時もノンストレス

また、今回は「Adobe Premiere Pro」を用いた動画編集にも挑戦してみました。動画は写真と比較してもファイルサイズが大きく、ソフトウェア稼働時の負担も大きいものです。ところが、立ち上げはもちろん、編集・レンダリング・書き出しなどの作業時もとても快適。レスポンスの早さにとても驚きました。

前回・前々回の記事でも「raytrek XV 写真&動画編集向けモデル」を使用してきましたが、今回は今まで以上に長時間に渡って重たい作業を任せてしまいました。その中でも、排熱力が非常に高くパフォーマンスの低下が一切見られません。

編集した実際の動画はこちら。

デスクトップならではの排熱力は、長時間かつ負荷の大きな作業を行う写真や動画クリエイターにとって本当に心強い存在だと感じています。

新しい年を迎えて心機一転、写真を楽しむ一年にしたいと感じている人もいるのでは。新しいパートナーには「raytrek XV-Ti 写真&動画編集向けモデル」を迎えてみてはいかがでしょうか。きっと素敵な体験ができることと思います。

そして、豪華絢爛な花火写真をより一層印象的に残すための比較明合成にもぜひチャレンジしてみてください。みなさまの写真表現がより一層広がることを願っています。

#ヒーコチャレンジ で極彩色チャレンジ!

うさだだぬき氏による極彩色の編集術、いかがでしたか?

この記事を通して「比較明合成に挑戦してみたい!」と思った方は、ぜひTwitterハッシュタグ #ヒーコチャレンジ で記事の感想や、写真編集にチャレンジして投稿してみてください!

今回の比較明合成をつかった編集方法を実践された方は是非ハッシュタグをつけてご投稿ください♫

投稿してくださった方には、うさだだぬき氏のTwitterアカウントやヒーコ公式Twitterアカウントから反応がくるかも。ヒーコ公式アカウント@wearexicoをタグ付けいただくと、ヒーコ公式アカウントより見つけられやすくなります。

それでは、たくさんの投稿をお待ちしています!

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うさだだぬき氏による極彩色レタッチ発表

以前の「四季を一層鮮やかに 極彩色で楽しむ京都の風景」記事にて募集した、ヒーコ公式LINEへJPEGとRAWデータを送ってくださった方の中から5名を選出し、うさだだぬき氏が写真を極彩色にレタッチする企画。

ヒーコ公式Twitterアカウントにてが発表されているので、是非チェックしてみてください♫

結果発表はこちらから

クリエイターPCについてもっと知りたい方はこちらから!

raytrek XV ASUS H570搭載 写真&動画編集向けモデルについて

※raytrek XV ASUS H570搭載 写真&動画編集向けモデルは、今回うさだだぬき氏使用「raytrek XV」の新機種となります。

CPU:Core i7-11700
グラフィックス:NVIDIA GeForce RTX 3060 12GB GDDR6
メモリ:16GB DDR4 SDRAM ※今回レビューした製品はメモリを32GBに増設しております
ストレージ:500GB NVMe SSD
※代表的な構成の一例です。当ページの掲載内容は、在庫等の都合により予告なく変更、または終了となる場合があります。

製品情報

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