最近、撮影でライティングする楽しさを改めて感じている、すー(@iamnildotcom)です。
「ライティング」と一括りにすると、「難しそう」「機材を持ってないから関係ない話だ」「自然光が好きだから関係ない」と条件反射的に思ってしまう方は少なくないのではないでしょうか。私も以前はそう思っていました。ですが、ボス(@crypingraphy)からライティング思考を学んでからそれが一変し、元を辿ればライティングも自然光も考え方は同じで、光を見極めること・原理を理解することにあるんだという考え方になったのです。
今回は、そのボスから光についてを教えてもらったことでどう変化したのか、具体的に何が変わったのかを、光が読めていなかった時の写真と比較しながら書いていきたいと思います!
私がライティング思考を学んで変わった、自然光にも応用できる光を見る目!ポートレート初心者から脱却した理由。
はじめに
私がボスから学んだライティング思考とは、明確に教科書があってそれを見せてもらったというようなものではなく、ボスに写真を見てもらってアドバイスをもらったり、ボスの撮影現場のアシスタントで見て盗んだり、「こういう状況下でどうライティングしたらいいですか?」と相談しアドバイスをもらったりしていく中で、身についていった光を見る考え方です。
その考え方と光の原理を知ることで、本記事のように写真表現の幅が広がりました。そして驚くことに、ライティングだけではなく自然光への理解度が飛躍的に高まったのです。今回は、そんな話をしたいと思います。
光の原理の詳細などについては、ヒコマートで商品化されているので、記事下部にリンクを貼っておきます!追求されたい方は合わせて見てみてください。
自然光撮影のビフォーアフター写真
まずは自然光で撮影した写真の変化を紹介します。
この2つの写真、1枚目ビフォー、2枚目がアフターの写真です。ほぼ同じ時間帯、状況、場所で撮影していますが、こんなにも違う印象の写真になっています。それぞれ具体的に何が違うのか、解説していきます。
ビフォー写真の気になるポイント
ボスから光について学んでてから気づいた、ビフォー写真の気になるポイントについて。
- 明るい部分と暗い部分の違いが顕著
- 肌が白飛び気味になっているため階調が少なく、肌のなめらかさが感じられない
- コントラストが高く、暗い部分と明るい部分の差が急激なため間のグラデーションがあまりなく写真全体の立体感が低くなっている
- 顔全体に光が当たり明るくなっていてメリハリがなく、顔が凹凸が見えなくなっている
アフター写真の改善されたポイント
ボスから光について学んでてから撮影して改善されたポイントについて。
- 直射日光の強い光でも肌の階調を失わず、顔の凹凸が表現できなめらかな印象に
- コントラストが高すぎず、もっとも明るい部分と暗い部分も白飛びせず黒とびもしていないため、全体のトーンにまとまりが出ている
- 影をうまく利用して光をあてたい範囲をコントロールすることにより、白飛びが避けられている
撮るゴールを「光で飛ばす」から「光で質感を出す」に変化
以前は撮るゴールをいかに光で飛ばして肌を綺麗にみせられるか、というところでした。その肌がきれいに見える状態=真っ白に飛んでいる状態としていたものを、肌がきれいに見える状態=肌の階調がなめらかなグラデーションで表現されたものという考えにシフトチェンジし、かつ光の明るい部分・暗い部分を意識して見るようになったことで、おなじ状況の自然光写真でもかなりの変化が生まれました。
ライティングのビフォーアフター写真
続いて、ライティング写真の比較です。
同じく1枚目ビフォー、2枚目がアフターの写真です。どちらも少し自然光が入った状態でのMIX光でもあります。ライティングとなると、光よりも調整できる幅が大きいため、どう調光するかによってこんなにも大きな差が出てしまいます。それぞれ具体的に何が違うのか、解説していきます。
ビフォー写真の気になるポイント
- 正面から強い光を当てることで顔全体が明るくなり、影がなくのっぺりした印象になってしまっている
- ライトを使う際に真正面から高い光量でしかあてているため影が消え、肌の階調が消えて質感が表現できていない
- 明るい部分と暗い部分の中間のグレーが少ないため全体的な階調のバランスも極端なものになっている
アフター写真の改善されたポイント
- 光を斜め上からあたっていることにより顔の影がでるライティングになっている
- 光の芯をあてずにやわらかい光部を当てることにより、階調豊かに演出できている
- 全体的なコントラストが滑らかで、落ち着いたまとまりのあるトーンに仕上がっている
光の向きと当て方次第で繊細な表現が可能に
以前は正面からただ光を当てればいいと考えていましたが、光は角度や高さや光の芯の調整などで様々な表現を可能にすることを知り、かつ微細な光の違いに目を向けるようになってから、立体感のある光の当て方ができるようになりました。光の種類を知ることで、イメージにあったものを取捨選択できるため、グッと作品の幅が広がったように感じます。全体的な統一感も、光の調和を意識することで取れるようになりました。
ライティング思考が撮影全てに影響する
光を知ることが全ての撮影方法に有効
光=目に見えるもの(カメラに写るもの)であるため、光を知ることは、一番の近道かもしれません。ライティング思考を学んだことで、自然光から、環境光、完全なライティングのみの光、全てが以前より安定したクオリティのものを撮影できるようになりました。
1枚目:自然光 / 2枚目:自然光MIX / 3枚目:完全なライティング
光は、レタッチにも影響する
また、以前は光が思った風にならないことが多く、現像・レタッチ時にかなり時間をかけて直し、写真を仕上げていました。明暗差のバランスも撮影最中には気が付けず、後から頭を抱えることは日常茶飯事でした。
光を知ることは、見極めることにつながり、撮影時に光のバランスをきちんと見て撮影することにつながり、それが結果写真を仕上げる工程を、かなりスムーズにしてくれると身を以て感じたりもしています。
本記事のまとめポイント
- ライティング思考は自然光撮影にも活きる
- 「柔らかい光」と「硬い光」を理解することで表現の幅が広がった
- 光の繊細な違いを知ることが、繊細な表現ができる一歩に
- 「ライティングしたい」という目的から「これが撮りたい」というイメージから「自然光かライティング」かを選ぶような思考に変わった
- 理論で理解することによって臨機応変に撮影で対応できるようになった
- 撮影時に理想の光を追い込めるようになり、あとから現像やレタッチで調整する手間が減った
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