- 1 しつこいノイズもこれで安心!Photoshop 複数写真を使った簡単ノイズ除去TIPS
- 2 複数写真を使ったノイズ除去方法
- 2.1 使用する写真をLightroomに読み込む
- 2.2 Photoshopでレイヤーとして開く
- 2.3 まとめ
- 2.4 バックナンバー
- 2.5 Photoshop 風景写真レタッチ Orton効果で絵画風に仕上げるテクニック
- 2.6 たった4つの工程で海外風の風景写真に!?Photoshopで簡単レタッチ!
- 2.7 コントラスト・マスクで簡単露出補正!Photoshopで風景写真をレタッチしよう
- 2.8 意外と知らない Lightroom RAW現像の秘密
- 2.9 これが知りたかった!PhotoshopでLightroomの機能を最大限活用するテクニック
- 2.10 無料なのに高機能!Nik プラグインで簡単 風景写真RAW現像テクニック
- 2.11 ズームエフェクトでひと味違った天の川を撮影するテクニック
しつこいノイズもこれで安心!Photoshop 複数写真を使った簡単ノイズ除去TIPS
はじめに
こんにちは。朱門(@shumonphoto)です。
風景写真を撮影していると、突然予期しない光景が目の前に飛び込んで来てその瞬間を撮りたいと思うことありますよね?
そんな時にゆっくり三脚をセットアップしてると、その瞬間を撮り逃しちゃうので、手持ちでシャッタースピードを上げて撮ることもしばしば。
特に朝方や夕暮れの暗い時間帯で手持ちで撮ると高感度ノイズも多くなりがちです。
最悪、せっかく撮った写真データがノイズだらけで使えないなんてことも。。
ISO10000で撮った写真
↓の写真は手持ちでISO10000で撮った写真を今回説明する方法で処理したものです。(この時は雲に隠れていた太陽が急に出てきてので、相当慌てて撮ってました。。)
「これがISO10000!? ノイズは??」と思ったかもしれませんが、本当にISO10000です。
但し、手持ちで撮った5枚の写真を使用して仕上げています。
ということで、今回は手持ちで撮った複数の写真を使って、高感度撮影で生じてしまったノイズを綺麗に除去する方法を説明します。
実は同じ方法を使うと、天の川などの星景写真の高感度ノイズも除去することが可能ですので、この方法は覚えておくと便利ですよ。
どんな写真に使えるの?
↓の写真は上の写真と同じくISO10000で撮った写真の未現像データです。
よく見ると分かりますが、全体的にノイズがあります。特に暗い岩の部分がノイズだらけです。
↓がこの写真の一部を拡大したものです。
もちろん、LightroomやPhotoshopの標準で用意されているノイズ除去フィルターでも、ある程度はノイズを目立たないように除去出来ます。
しかし、これらのノイズ除去を強めにかけると元画像のシャープさが失われるため、岩肌の質感がボケてしまいます。
そこで、今回説明する方法を使えば、このようなノイズだらけの暗い岩肌も質感をキープしたままノイズを除去することが可能です。
では早速、その方法を説明します。
複数写真を使ったノイズ除去方法
使用する写真をLightroomに読み込む
まずは連続で撮影した写真データをLightroomに読み込みます。
今回は5枚の写真を使います。見ると分かりますが、それぞれ岩の位置が若干異なっています。
Lightroomで基本的な露出調整
5枚のうち1つを選択し、基本的な露出などの調整を行います。
今回、ノイズ除去はPhotoshopで行うため、Lightroom上のノイズ除去はすべてoffにしておいて下さい。
(Lightroomはデフォルトでカラーノイズ除去が25に設定されていますが、これも0にします。)
調整が終わったら、他の4枚の写真を選択して現像設定を同期します。
Photoshopでレイヤーとして開く
次にこれら5枚の写真データをPhotoshop上でレイヤーとして開きます。
5枚の写真をすべて選択した状態で右クリック、「他のツールで編集」「Photoshopでレイヤーとして開く」を選択します。
しばらく待つと、↓のようにPhotoshop上で5つのレイヤーが作成されます。
レイヤースタックを自動整列
ここで試しにすべてのレイヤーの透過度を20%にしてみると、被写体の位置がそれぞれ少しずつズレていることがわかります。(この操作は行う必要はありません。)
まずはこのズレを修正します。なんだか大変そうに思うかもしれませんが、この程度のズレであればPhotoshopが自動で位置を揃えてくれます。
すべてのレイヤーを選択した状態で、「編集」「レイヤー自動整列」を選択します。
今回の例では「自動設定」のままOKを押します。
しばらく待つと、各レイヤーの位置や大きさが微調整された状態になります。
確認のためにレイヤーの透過度を20%に設定したものが↓です。(この操作は必要ありません)
被写体がぴったり重なっていることが分かります。
スマートオブジェクトに変換
次に5つのレイヤーをまとめてスマートオブジェクトに変換します。
スマートオブジェクトは使いこなすと色々と便利な使い方が出来る機能なのですが、ここでは詳しい説明は省きます。
すべてのレイヤーを選択した状態で右クリックし、「スマートオブジェクトに変換」を選択します。
メディアンフィルタでノイズ除去
スマートオブジェクトで重なっているレイヤーに対して「中央値(メディアン)フィルター」処理を行います。
「レイヤー」「スマートオブジェクト」「画像のスタック」「中央値」を選択します。
こちらが中央値(メディアン)フィルタを実行した後の写真データです。
どうですか?上の実行前と比較すると、その効果は歴然ですね!
「どうしてこれでノイズが消えるの?」という疑問が湧くかもしれませんが、ここでは詳しい説明は省きます。
興味がある方は「メディアンフィルタ」で検索すると説明が見つかるでしょう。
クロップ
構図が若干異なる写真を複数枚、整列して重ねているため端の部分にはズレが生じています。
ズレがある周りの部分をクロップして切り落としておきます。
仕上げ
ここまでの手順でノイズの少ない写真データとなりましたので、この写真データをベースに仕上げていきます。
まとめ
↓が元写真データと処理後のデータの比較です。
処理後のデータは岩の質感を保ちつつノイズが除去されていると思います。


今回は複数の写真データを使ってノイズを除去する方法を説明しました。
実は手法としては動画では昔から行われている方法なのですが、このようにPhotoshopを使うことで写真にも簡単に応用することが可能です。
これからは高いISO感度で撮るのを躊躇しなくなるかもしれませんね?
でも、なるべく同じ構図で複数撮ることを忘れないようにしましょう。
では、また。
※この記事を見て試したら、#ヒーコで写真を是非見せて下さいね!